エビデンス

教育系のエビデンスがあるところ

What works Clearing House (WWC)

国:アメリカ

機関:Institute of Education Sciences (IES)

背景:NCBL法(2002年)の成立がエビデンスの需要を高めた

   研究内容をわかりやすい言葉で教育関係者に伝える仕組みが必要だった

目的:最も有効な施策・取り組みの情報提供・意思決定を支援する

特徴:エビデンスの質を保証するために厳密な基準で分類される

   最新の研究を迅速にレビューしている(Quick Review)

   利用しやすい実践的なガイドを発表(Practice Guide)

備考:「(信頼の高いエビデンスに基づいて)教育的介入の因果関係が明示されるべきである」という考え方がある(豊, 2011)。WWCのエビデンス基準を満たす施策のみを採用せよということではない。NCLB法はエビデンスに基づいた施策の採用を求めているが,実際にどのような施策を科学的根拠があると判断するかは現場に委ねられており,WWCはあくまで参考情報というのが教育省の立場である(田辺, 2006)。

 

Education Endowment Founding (EEF)

国:イギリス

機関:ロンドン大学(教育研究所)

背景:(1) 社会経済的に不利な子どもの学力不振の解決

   (2) 教育省から教育基金財団(EFF)が1億2500ポンドの出資を受けて設立

目的:(1) 環境的に不利な子どもたちの学力向上の支援

   (2) 教員の専門性の向上(エビデンスの有用性の理解・エビデンスの適用)

特徴:Teaching and Learning Toolkit

   5歳から16歳までの教育に関するエビデンスを要約

   各効果を「費用(資金)・エビデンスの強さ・インパクト」で表示

備考 (1):インパクトはエフェクトサイズを示している
備考 (2):EEF は教員の専門性の向上を活動の指針としている。実際の教育現場で行われる教育研究から得られたエビデンスの有用性を教員が理解し,自ら最適な活用方法を判断した上で,教育現場での実践へ適切に活用することをもって,専門職たる教員が有効にエビデンスを「つかう」ことと位置づけている。そのため,教員に強制的にエビデンスを踏まえた実践を行うよう命令したり,強く指導したりするアプローチは取られておらず,教員の行動変容を促すことが意識されている(三菱UFJ&コンサルティング, 2017)。

 

参考・引用文献

三菱UFJ&コンサルティング (2017). 平成28年度 生涯学習施策に関する調査研究諸外国における
客観的根拠に基づく教育政策の推進に関する状況調査報告書 文部科学省

田辺智子. (2006). エビデンスに基づく教育 日本評価研究, 6 (1), 31-41.

豊 浩子. (2011). 米国のエビデンス仲介機関の機能と課題-米国 WWC 情報センターの例より
(特集 教育研究におけるエビデンス) 国立教育政策研究所紀要, 140, 71-93.

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教育にエビデンスを

子どもたちの課題をどうやって解決に導くのか。たくさんの「経験」に基づいて教育方法を選択することは決して間違っているわけではないけれど,科学的な根拠に基づいて考えること「も」できるようになれば,効率的かつ効果的に方法を選択できるようになるのではないかなと思い始めたのは昨年のこと。

 

3月は,「医学系で扱われているEBMや経済学系で扱われているEBPMについて学ぶ時間」と決めていろいろな本を買い込み,読みました。経済計量学という領域があることも分かり,統計学の知識を更新する良い機会となりました。

「真の教育を」「確かな学力を」という文言を教育者が繰り返し使ってしまう理由は,科学的な視点で教育効果を分析・判断するリテラシーを学んでこなかったことが最大の原因ではないでしょうか。教育学部の学生さんたちにEBM・EBPM的な思考方法を武器として持たせてあげられるように準備をすすめているところです。

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エビデンスに基づいた教育

「エビデンスに基づいた教育」を学びたくて上京してきました。

 

その教育方法,効果はあるの?

ある教育的な問題に対して,どのように対応するのか。

若手であるほど対応に困ってしまうことは想像に難くありません。

信頼できる先生に尋ねる,ネット検索する,経験から判断する。

良さそうな方法がたくさん見つかります。

しかし,それらの方法は本当に「効果」があるかどうかは不透明。

ちょっと不安ですよね。「経験・勘」だけで判断するのではなく,

これまでに蓄積されている客観性の高いエビデンスを利用して判断できれば,

経験が少ない若手でも自信をもって教育に関わることができます。

「エビデンスに基づいた」判断・意思決定ができるスキルを

学生さんたちに提供できたらいいなと思っているところです。

 

これからの生徒指導を考える

「こんな方法もあるよね。あんな方法もあるよね。」といった,

結論が出ない協議で終わるのではなく,

エビデンスに基づいて議論・検討して,「この方法が最善!最適解!」

と主張できるスキルが身に付けられるような時間を学生さんたちに提供したい。

「教員の努力は子どもたちに必ず伝わる」

「とにかく経験を積むことが必要」

「以前にこんなことがあって,そのときは・・・」などなど,

根性論・精神論・経験論に基づいた教育ではなくて。

 

子どもを思う気持ちは確かに重要です。

もちろん,経験の蓄積や教育観も大切。

でも,それだけでは不十分。

 

教育的な問題に対してどのような方法が効果的なのか。

効果がある場合,どの程度の効果が期待できるのか。

これらに関するスキルを持つことができれば,強力なツールとして利用できます。

教育現場で役立つメタ的なスキルの1つ。

岡山で教員を目指す学生さんたちに提供できるように準備を進めています。

まだ時間はかかりますが,慌てず,焦らず,少しずつ。

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