学びを深めてゆく学習モデル:作ることで学ぶ

MITのミッチェル・レズニックが2007年に発表した論文:All I really need to know I learned in Kindergarten.

この論文で紹介されているCreative Kindergarten Learning Spiral という学習モデル (下図)。これがとても好きなのです。ものすごく簡潔に概要を説明すると,遊びながら学ぶ幼児の日常的な学習過程のサイクル (ものすごくラフでスミマセン…)。以前の記事でも何回か書いている通り,「楽しんでいたらいつの間にか高いところまで来ていた」となるような学習が理想的だと考えているので,どことなく親しみを感じる学習モデルなのです。

%e7%84%a1%e9%a1%8c

この図を「ゲーム作り」で例えるとすると・・・
どのようなゲームがあると楽しいか想像し (Imagine),実際に創ってみて (Create),遊んでみる (Play)。創ったゲームを友達と共有し (Share),どのようにすればもっとより良くなるかを考える (Reflect)。そして,再び想像し,何がさらにあるとより楽しくなるのかを考えて,というサイクル。

このようなサイクルを支援するために作れられたコンテンツが,ビジュアルプログラミング言語Scratchです。

ある作品を創る過程の中で,作ってみて,試してみて,目指していたものとちょっと違うなと思ったら,崩してまた作り直す経験ってありますよね。ゲームでなくても,文章だったり,絵だったり,音楽だったり。熱中して作りこんだ時に身に着けた知識は,学校で学んだ知識よりも鮮明に残っているのではないでしょうか。足りないものがあれば必死になって勉強。作りたいというモチベーションは高いので,学習が苦ではない。ひょっとしたら,本人は勉強とは思っていないかも。このように,楽しみながらビルド&スクラップを繰り返す過程がシーモア・パパートによって提唱された構築主義的な学習です。

 構築主義的な考え方はアクティブ・ラーニングと近い考え方なので,先々注目を浴びる理論なのではないかナーと思っています。

心理学の講義資料を作るときは,まさにこのサイクルです。
どのような授業だったら学生さんたちは楽しんでくれるだろうか (Imagine)
思いついたアイデアをカタチにしてみる (Create)
作成した資料を使ってエア授業してみる (Play)
満足できたら授業で公開してみる (Share)
学生さんたちの反応を見て,次回はどうすれば良いかを考える (Reflect)

SNSでもご購読できます。