子どもたちにお土産を持たせて未来へ送り出す:プログラミング教育

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プログラミングはアイデアをカタチにする道具

プログラミングは頭の中に描いたアイデアをカタチにする道具の1つ。プログラミングの良いところは何でも作れるところ。絵や音楽や粘土などで表現することもできるのですが,いずれもプログラミングを通してPCの中で表現することができます。さらに,作品はインターネットを通して世界に発表することもできる。子どもの「作りたい!」に沿ったサポートができれば,子どもたちはプログラミングを通して様々なスキルを自発的に身に付けていくのではないかと大変期待しています。

プログラミングが現代の教養になる

プログラミング教育を必修にしている国はすでにあるため,海外レベルで見てみると日本はやや後発な印象です。子どもたちが大人になった時に海外の人たちと戦うことができるだろうか。できることなら,未来で通用するスキルを子どもたちに持たせて送り出してあげたい。まさに親心。でも,子どもたちがつまずかないようにする「予防的な教育」は,「押し付けられた教育」として子どもたちに写るかもしれません。レールが敷かれたプログラミング教育は,きっと楽しくない。プログラミングの面白さは,試行錯誤を繰り返しながら作りたいものをカタチにしてゆくプロセス (仮説)。「すること」がカッチリと決められた学習よりも,何を作りたいのか自分で決定できる方がきっと楽しいはず。

どのようにプログラミング教育を行うと良い?

プログラミング教育において試行錯誤が重要であるのだとしたら,プログラミングを指示通りに操作させるだけの指導では不十分です。でも,「何を作っても良い」と言われて放置されても子どもたちは困惑するだけでしょうから,少なくとも目的地 (作るもの) は共有した上で,進む「道」は自分たちで作れるような環境を用意する方が子どもたちにとって学びは多いのかもしれません。これまでの取り組みの経験上,どのような道を通って目的地に到着したのか,お互いの試行錯誤やアイデアを見せあったり,一緒に考えたりする方が,プログラミングを指示通りに操作させるだけの授業よりも学びは大きい。プログラミングの基礎的な部分だけを教えて,あとは子どもたちのアイデアや創造力を信じて待つ授業。教員から見ると「何もしていない教育」に見えてしまって不安になるかもしれないですが,子どもたちにとっては大変アクティブな学習時間になっている可能性は大きい。分かりやすく教える (Teach) スキルだけでなく,子どもの学びを助ける (Facilitate) スキルもこれからの教員に必要になるため,プログラミング教育の導入は,教育観や授業観の大きな転換期になるのかもしれません。

プログラミング教育で子どもたちは「何」を身に付ける?

文部科学省から提示された「プログラミング的思考」の定義の中に試行錯誤のプロセスも含まれていました。少し気になっているのは,「プログラミング的思考」を身に付けさせることが「目的」になってしまうこと。作りたいものがあるからこそ,頭の中にあるアイデアに近づけたいからこそ,試行錯誤を重ねるプロセスが持続します (仮説)。プログラミング的思考は試行錯誤の結果として身に付けることができるものだとしたら,「教えて育むことができるもの」ではないので,身に付けることができる環境を用意することが,これから始まるプログラミング教育に必要なのだろうと思います。プログラミングの試行錯誤が外発的な動機づけではなく,内発的な動機づけで行われる授業として計画されることを願っています。

「正解がない問題」に答えを提示する練習

キャラクターをジャンプさせる動作のプログラムは1つだけではない。様々な作り方で実現できます。正解がない問題に対して自分の答えを提示することができるので,プログラミング教育は,正解がない問題に対して「このような答えを導き出した!」と主張する練習環境として位置付けることができるのかもしれません。先述したように,どのようなプログラムを組んだのか,仲間同士でお互いのアイデアを見せ合ったり,一緒にプログラムを考える経験が,アイデア力の育成につながるのではないかと期待しています。これからの未来を生き抜くことになる子どもたちに何をもたせて送り出してあげると良いのか,これもまた正解のない問題です。少なくとも,人工知能の発達やロボット産業の急速な発展を見る限り,プログラミングに関する知識や経験は未来で必要とされる力の1つでしょう。

Photo by geralt

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