ぬいぐるみたちが運んできてくれたもの(1)

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 先日,論文採択の連絡が届きました。たくさんの方々が支えて下さったおかげで,ぬいぐるみお泊まり会の研究論文を2つ書くことができました。投稿論文にすることが協力者に贈る最大の恩返しだと思い続けていたので,やっと肩の荷を下すことができたー(脱力)という心境です。達成感に浸っていると,これまでの思い出がふわりと浮かんできました。これまでの経緯を書き残したい気持ちも出てきたので,これまでの道のりを少し書くことにしました。

 初めて企画した1年目は分からないことだらけでした。「こんな感じで開催しているのだろうナー」という薄くて淡いイメージはあったのですが,詳細な手続きは全く知りませんでした。マニュアルなんてありませんから,色々な情報を足し合わせるところからのスタートです。当時,日本ではまだ開催数が少なく,本家本元と同じ方法ではない可能性があったので,海外のサイトや記事等を中心に情報を集めました。

 企画の概要が出来上がったら,次は協力して下さる会場探しです。当時,大学教員になって約5か月。コネクションなんて1つもありません。「ぬいぐるみお泊まり会という企画が海外でありましてー」から始まる説明。数え切れない程に説明しました。子どもたちのぬいぐるみを預かると言うのですから,怪しまれるのは間違いないだろうと腹をくくりました(笑)。慎重に,オブラートにつつみながら話をしてみたら・・・,面白そうですね!楽しそう!など,とてもポジティブな反応が返ってきました。受け入れてもらえたという安堵感。思っていたよりも怪しまれなかったことにホッとしました(笑)。色々な方々にご相談しながら探していたところ,紀伊國屋書店(クレド岡山店)さんが協力して下さることになりました。OKの連絡を受けた時,誰もいない部屋でひとり飛び上がって喜びました。

 最も大変だったことは参加者の募集でした。定員は20名。ポスターを作ったり,協賛のお願いをする書類をたくさん作ったり。20名くらいすぐに埋まるだろうと思っていたのですが,大苦戦。締め切りまで1週間を切っても半分も埋まっていない。1桁でした。あの時に感じた,胸の奥底がきつく締めつけられるような感情。絶対に忘れられません(笑)。今思えば当然の結果です。全く知らない人が「あなたのお子さんのぬいぐるみを預かります」と言っているのですから。怪しさMAXです。何か事を成す上で「信頼」は極めて大事だと改めて感じました。延期するかどうか少し迷いましたが,人数なんて気にしない。大切なことは企画の質。参加してくれる子どもたちに喜んでほしい。延期はしない。準備を継続することにしました。

 2つ目の奇跡が起きました。参加希望状況を知った同僚の方がチラシ配布を申し出て下さいました。チラシを約3000枚印刷。保育園や幼稚園にチラシを置かせてもらえるよう電話でお願いをして下さったり,各地にチラシを持って行って下さいました。おかげで1桁だった希望者数はあっという間に定員数を超え,締切日までに定員数の2倍を超える参加希望が届いていました。1人だけでは限界がある。「支えてもらっている」ことに深く感謝する日となりました。

 コンテンツの充実化。アイデアの創造はとても楽しくて何時間でも考え続けることができました。最高の企画にしたい!子どもたちが喜ぶ企画にしたい!そう思うといろいろなアイデアが出てきて,準備しなければならないことが増えました。可能な限り完璧を追及する性格でして(笑)。打ち合わせや会場準備のために何回も本屋さんへお伺いさせてもらったり,小道具を探すためにお店を何件も回ったり,ポスターを貼らせてもらえるようにお店にお願いに行ったり,売り切れのぬいぐるみを調達するためにネット上のショップをサーフィンしたり(笑)。自分で仕事を増やしてしまい,自爆しました(笑)。

 圧倒的に手が足りない。だからといってクオリティは落としたくない。どうしようかな(汗)と,ウンウン唸って考えた結果,担当していた講義でお手伝いを募集することにしました。呼びかけた結果,約15名の学生さんたちが協力してくれることになり,準備も無事に間に合わせることができました。どのように撮影すればファンタジックな写真になるのか,撮影方法や見せ方もたくさん試しました。撮影は僕よりも学生さんたちの方が上手だということも分かりました。目標を共有できる仲間がいるっていいことだナーと深く感じました。

 この時に手伝ってくれた学生さんたちは今も手伝い続けてくれています。今となっては欠かせない主要メンバーです。感謝という言葉では表現しきれないほどに深く感謝しています。2つの論文の謝辞にもお名前を書かせて頂きました。ぬいぐるみたちがつないでくれた大切なご縁です。

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