プログラミング教育に関する教員研修

IMG_9048 (1)

教員免許の更新講習でプログラミング教育に関する内容を扱うことになりました。「これからこうなります!」という話をする時間よりも,プログラミングを体験してもらう時間を多くしてみました。プログラミングの面白さをまずは知ってほしい。

 

IMG_9079

音で操作可能なコントローラーを作成 (ロジックラボさんのアイデア)。そして,音コントローラーを使って遊ぶゲームを考えます。どの先生もユニークなゲームを考えておられて,とても楽しい時間にすることができました。

「面白い!」と思うことができれば,受講後から自発的にプログラムしてみたり関連書籍を調べたりして下さるのではないかな-。プログラミング必修化に向けた対応策を長々と話されてもきっと「よしやろう!」とはなりにくいのではないかな-と思い,「楽しさ・面白さ」を主テーマに掲げてロジックラボさんと一緒に検討・実践を積み重ねています。

バカゲーでも何でも良いので1つでも作ることができたら,どんなにショボくても嬉しい(特に初回)。感情的にポジティブな体験ができる時間を最初に配置することは継続的にプログラミングを学ぶ上でとても重要な気がしています。

「必修化になるから学ぶか-」ではなくて,主体的に学びたくなるような環境を用意したい。「面白い!」「これは子どもたちに教えたい!」と思ってもらえる教員研修。「必修化に向けた対応」はちょっと端に置いといて,最初はプログラミングを楽しむところからスタートできる環境。

難しい課題こそ,ユニークな方法で解決したい。

プログラミング教育に関する取り組み:「これまで」と「これから」

IMG_4018

プログラミング教育に参画してから早2年が経ちました。岡山のプログラミング教育をなんとかしたい!と思う気持ちは今も変わらず。変わるどころか,他県の取り組みのニュースを見る度にちょっと焦って (笑),スタバのコーヒー飲んで1回落ち着いて,今ある環境で何ができるのかを考えては実践している日々です。これまでの取り組みを一覧にしてみました。プログラミング教育必修化まであと2年。

 

2016年03月

プログラミング教室を開催。「ロジックラボ様」と「人と科学の未来館サイピア様」にご協力して頂きました。

2016年06月

岡山大学でプログラミング教室を開催。約30名の子どもたちが参加してくれました。

2016年11月

岡山県教育委員会の先生方のご協力のもと,岡山大学で小学校教員を対象としたプログラミング教育に関する研修会を開催しました。スクラッチを使った実践授業はロジックラボ様が担当して下さいました。

2017年01月

にんげんプログラミングとスクラッチを使った授業を企画し,倉敷市沙美小学校でプログラミング教育を実践。「にんげんプログラミング(阿部和広先生考案)」はWhyプログラミング (NHK) で紹介されていたアンプラグドなプログラミングです。指導案と細案は玉井さんと桑野さんが担当。

2017年06月

プログラミング教育に関する教員免許状更新講習 (選択必修) を開講。

2017年07月

夏休みプロジェクト (案):準備中

子どもたちにお土産を持たせて未来へ送り出す:プログラミング教育

lgf01a201312031600

プログラミングはアイデアをカタチにする道具

プログラミングは頭の中に描いたアイデアをカタチにする道具の1つ。プログラミングの良いところは何でも作れるところ。絵や音楽や粘土などで表現することもできるのですが,いずれもプログラミングを通してPCの中で表現することができます。さらに,作品はインターネットを通して世界に発表することもできる。子どもの「作りたい!」に沿ったサポートができれば,子どもたちはプログラミングを通して様々なスキルを自発的に身に付けていくのではないかと大変期待しています。

プログラミングが現代の教養になる

プログラミング教育を必修にしている国はすでにあるため,海外レベルで見てみると日本はやや後発な印象です。子どもたちが大人になった時に海外の人たちと戦うことができるだろうか。できることなら,未来で通用するスキルを子どもたちに持たせて送り出してあげたい。まさに親心。でも,子どもたちがつまずかないようにする「予防的な教育」は,「押し付けられた教育」として子どもたちに写るかもしれません。レールが敷かれたプログラミング教育は,きっと楽しくない。プログラミングの面白さは,試行錯誤を繰り返しながら作りたいものをカタチにしてゆくプロセス (仮説)。「すること」がカッチリと決められた学習よりも,何を作りたいのか自分で決定できる方がきっと楽しいはず。

どのようにプログラミング教育を行うと良い?

プログラミング教育において試行錯誤が重要であるのだとしたら,プログラミングを指示通りに操作させるだけの指導では不十分です。でも,「何を作っても良い」と言われて放置されても子どもたちは困惑するだけでしょうから,少なくとも目的地 (作るもの) は共有した上で,進む「道」は自分たちで作れるような環境を用意する方が子どもたちにとって学びは多いのかもしれません。これまでの取り組みの経験上,どのような道を通って目的地に到着したのか,お互いの試行錯誤やアイデアを見せあったり,一緒に考えたりする方が,プログラミングを指示通りに操作させるだけの授業よりも学びは大きい。プログラミングの基礎的な部分だけを教えて,あとは子どもたちのアイデアや創造力を信じて待つ授業。教員から見ると「何もしていない教育」に見えてしまって不安になるかもしれないですが,子どもたちにとっては大変アクティブな学習時間になっている可能性は大きい。分かりやすく教える (Teach) スキルだけでなく,子どもの学びを助ける (Facilitate) スキルもこれからの教員に必要になるため,プログラミング教育の導入は,教育観や授業観の大きな転換期になるのかもしれません。

プログラミング教育で子どもたちは「何」を身に付ける?

文部科学省から提示された「プログラミング的思考」の定義の中に試行錯誤のプロセスも含まれていました。少し気になっているのは,「プログラミング的思考」を身に付けさせることが「目的」になってしまうこと。作りたいものがあるからこそ,頭の中にあるアイデアに近づけたいからこそ,試行錯誤を重ねるプロセスが持続します (仮説)。プログラミング的思考は試行錯誤の結果として身に付けることができるものだとしたら,「教えて育むことができるもの」ではないので,身に付けることができる環境を用意することが,これから始まるプログラミング教育に必要なのだろうと思います。プログラミングの試行錯誤が外発的な動機づけではなく,内発的な動機づけで行われる授業として計画されることを願っています。

「正解がない問題」に答えを提示する練習

キャラクターをジャンプさせる動作のプログラムは1つだけではない。様々な作り方で実現できます。正解がない問題に対して自分の答えを提示することができるので,プログラミング教育は,正解がない問題に対して「このような答えを導き出した!」と主張する練習環境として位置付けることができるのかもしれません。先述したように,どのようなプログラムを組んだのか,仲間同士でお互いのアイデアを見せ合ったり,一緒にプログラムを考える経験が,アイデア力の育成につながるのではないかと期待しています。これからの未来を生き抜くことになる子どもたちに何をもたせて送り出してあげると良いのか,これもまた正解のない問題です。少なくとも,人工知能の発達やロボット産業の急速な発展を見る限り,プログラミングに関する知識や経験は未来で必要とされる力の1つでしょう。

Photo by geralt

発達障害を考える。

IMG_8980

本日のゼミでは学生さんたちと一緒に「発達障害」について考えてみました。10年前に比べてものすごく研究が進んだ印象でした。研究が進んでいるだけでなく,社会が「発達障害」を理解し,支援している。大変素晴らしい変化です。先日,NHKで放送された「発達障害~解明される未知の世界~」も合わせて学生さんたちと一緒に観てみました。

「非」認知能力について考える

IMG_8967

ぬいぐるみたちのイベントを2日前に終えたばかりですが,さっそく次の計画に向けて準備。本日のテーマは「非認知能力」。学力は同程度なのに,どうして年収やステータスに差が出るのか。関連する研究やデータを紹介しながら説明してみました。データを紹介する度に分かりやすい反応(えー!!とか,これはすごい!とか)を返してくれるので,「準備の努力が報われた感」がありました (嬉)。学生さんたちに楽しんでもらえた様子。本日も良い日でした!

「ぬいぐるみたちの遠足」を子どもたちに報告

49607677-

参加してくれた子どもたち,保護者の方々,準備してくれた学生さんたち,とても楽しそうな様子でした。これは「成功」ですよね。3月から企画・準備してくれた学生さんたちには,深く感謝したいと思います。わずか3名でも上手に「協力」することができればここまで辿り着けることを示してくれました。今年も素晴らしい学生さんたちと一緒に新しい世界を切り開くことができたので,とても嬉しい。

 

子どものぬいぐるみたちは広島を旅してきました。

IMG_8835

ある日,子どもたちに「ぬいぐるみたちの大遠足」の招待チケットとお手紙が届きます。お手紙の内容は,「遠足に一緒に行こう!」というお誘いです。子どもたちは遠足に行ってきてもらうぬいぐるみを選び,岡大へ送り出してくれました。

 

IMG_7951

ご案内してくれるのは,私の研究室にいるクマのクーちゃん (学生さんたちが名前を付けてくれました)。

 

IMG_8837

ぬいぐるみたちは旅先から3通の手紙を子どもたちに送りました。1週間に1通です。3通目もそろそろ届く頃ではないかな。

 

IMG_8842

封筒の中には写真も入っています。

 

IMG_8360

ぬいぐるみたちは広島を満喫。安佐動物園にも行きました。

 

IMG_8359

おりづるタワーで原爆ドームについて説明してもらったり。

 

スライド1

お好み焼きを食べたり。
電光石火 (駅前ひろば店) 様にご協力頂きました!誠にありがとうございました!

 

IMG_8708

宮島にも行きました。

 

スライド2

スライド3

宮島の鹿さんと会話する (?) など。

 

IMG_8842

ぬいぐるみたちがそろそろ岡山に戻ってくる頃。報告会 (5月27日) まであと3日。報告会では,ぬいぐるみたちがどのような旅をしてきたのか,たくさんの写真と一緒にご紹介します。この日,ぬいぐるみたちは子どものもとへ帰ります。

 

無題

写真撮影やお手紙の内容等は,今春から研究室に所属してくれている3名の学生さんたちが担当・作成してくれました。子どもたちが楽しんでくれるように,学生さんたちが一生懸命に準備を進めております。報告会当日で使用する道具の最終チェック中。道具も学生さんたちの手作りです。

 

71D13FCF-

いよいよ明日。学生さんたちは夜遅くまで準備をしておりました (5月26日追加)。

あと5日。

FE689ECA-

3通目のお手紙も本日発送。あとは5月27日(土)の報告会のみとなりました。ぬいぐるみたちが遠足している様子の写真をどのように見せるのか?,どのような表現が子どもにとって分かりやすいのか?,本日も学生さんたちが議論しながら準備していました。一切の妥協を許さないその熱意とモチベーション,とってもカッコイイです!子どもたちや保護者の方々が楽しんでくれますように!がんばれー!学生さんたちー!(毎回親ばかな感じですみません…)

こころを預かる:ぬいぐるみを介したコミュニケーション

2EF91319-

ウナギトラベルの東様が岡山にお越し下さり,大学1年生を対象にお仕事の話をして頂きました。当初は研究のご相談のみだったのですが,東さんのお話を聞いているうちに,学生さんたちにもぜひ知ってもらいないな,聞いてもらいないなと思ったことがきっかけでした。

「ぬいぐるみを預かる」とは,「こころを預かる」こと

IMG_8799

東さんのお話は想像していた以上にとっても深い内容でした。学生さんたちはそれぞれに感じたところがあった様子で,授業後の感想シートにはびっしりと思いが書かれていました。感じ方に違いがあり,理解の多様性 (学生さんたちの感受性の豊かさ) を感じる一方で,共通して多くの学生さんたちに響いていた言葉がありました。それは,「ぬいぐるみを預かることは,心を預かること」。この言葉に学生さんたちは心が動いたようでした。

 

IMG_8805

多くの場合,ぬいぐるみは子どもの頃からずっと大切にしてきたパートナーですよね。「心を預かる」という表現は私もとてもよく理解できました。ぬいぐるみは「モノ」ではなく「こころの一部分」。「こころの一部分」が旅先で大切にされているわけですから,お客様が「癒」を感じることにも納得がいきます。「大切にしているぬいぐるみが『旅をしている』」という部分だけでなく,「旅をしているぬいぐるみが『大切にされている』」ことに嬉しさを感じるのかもしれないですね。

 

IMG_8800

「大切にする」というのは,「物理的に」という意味ではありません。ぬいぐるみをお預かりする際,お客様に回答してもらうアンケートがあるんです。アンケートの内容は,ぬいぐるみのお名前,性別,性格,参加希望の理由等々。ぬいぐるみを預かって有名な観光地で単に撮影しているわけではないことがココから伺えます。お客様の「ぬいぐるみに対する想い」があって,その想いに寄り添った撮影となるように心がけておられるように感じました。

こころにカタチを与える写真

IMG_8802

かわいらしく撮影できればOKというわけではなく,一人ひとりのお客様の気持ちを丁寧にすくい取り,それらを「撮影した写真」に反映できているかどうかを基準にしておられるように感じました。これは簡単に真似できることではないですね。一人ひとりのお客様の声を丁寧に聴き,言葉の奥にあるカタチのない気持ちを可能な限り理解しようとするスキルがなければ,同じように撮影をしたとしても,ぬいぐるみの持ち主のこころには届かないのかも。

撮影では,どのような角度で撮影すると良いのか等の手続き的なスキルよりも,お客様の想いを最大限に汲み取るようなコミュニケーションスキルの方が極めて重要なように感じました。そして,ぬいぐるみの写真撮影は,カタチを持たないこころにカタチを与える方法の1つなのかも。言語化が難しい気持ちを,写真という1つのカタチにしてもらえることが喜ばれる要素の1つとして含まれている気がしました。

ぬいぐるみを介したコミュニケーション

IMG_8804

ぬいぐるみを介したコミュニケーションがお客様の間で生まれていて,ぬいぐるみが人と人をつなげている。ぬいぐるみがカワイイという部分も確かにあるのですが,人と人のつながりが本質的な部分のように思いました。ツアーの中でぬいぐるみたちがつながり合い,ぬいぐるみを介して,人と人がつながり合う。つながりは多様的な彩りを帯びながら,同時に次のつながりの蕾が育っている。そんな印象を持ちました。言語化はちょっと難しいのですが,非言語的 (直観的) には理解できました。最近話題の「ぬい撮り」とは,コミュニケーションという点で質的に大きな違いがあるのかもしれません。コミュニケーションとは何だろう?と改めて考える大変良い機会になりました。

 

IMG_8787

学生さんたちだけでなく,私も大変新鮮な時間を過ごすことができました。新しいことを理解したり体験したりした時,世界が広がった!と思えるような感覚がこころの中に広がりますよね。海外に行ったときに感じる,あの感覚。それに近い感覚を得ることができました。

 

IMG_8804

岡山ツアーに参加中のみなさまー!ようこそ岡山へ!!

5月27日に向けて準備中。

IMG_8779

広島で撮影してきた写真をつないでストーリーを作成中。これがまたすごいんです。学生さんたちのアイデア力,恐るべし。大人も楽しめる出来栄えでした。きっと子どもたちも喜んでくれるはず!

 

FullSizeR (10)

こちらも学生さんの手作り。マスキングテープを上手に使ってお魚のうろこを表現しています。学生さんたちのスキルの高さには驚かされるばかりです。どのように利用するのかはまだ秘密です。