理解することをやめない。

子ども対象の企画を開催し続けていることを知って下さる方が増えました。

とてもありがたいです。本当に。本当に。

取り組みを知って下さる方が増えると同時に,

「記事,読みましたよ!」「アクティブですね!」と言ってもらえる機会も多くなりました。

着任当初,「研究もせずにイベントばかりしてる」とか

「研究書籍を買わずにぬいぐるみばっかり買っている」とか(笑),

批難され続ける時期があったので,

わざわざ声をかけて応援して下さる方や

企画や研究に協力して下さる方の存在が,とっても嬉しくて。

「このお方たち,ひょっとして生き神様ではないだろうか?」

と思うような素晴らしい方々にも出会うことができました(特に2017年)。

 

さてさて。本題です。なぜ子ども対象の企画を開催し続けているのか。

理由は3つあるんです。

 

1.先生たちのエビデンスを理解したい

科学って客観性が大切。だから,科学者たちは,科学的方法に基づいて実験を行い,

得られた結果を使って結論を出します。科学者間では当たり前の作法です。

僕も科学者サイドで生きてきたので,「エビデンス」という言葉を聞いたら,

科学的な方法に基づいた実験から得られた結果のことを意味していると理解していました。

でもでも。科学の世界から離れてみると,「エビデンス」の言葉は,

『科学者たちが言う「エビデンス」』とは違う意味で使われていることに気づきました。

 

例えば,学校。

先生たちにとって「エビデンス」とは,

子どもの目の輝きとか積極的な態度とかなわけです。

最初は理解できませんでした。

再現性は高くないし,信頼性も高くない。

なぜ先生たちは子どもたちの姿をエビデンスと呼んでいるのか分からなかった。

 

先生たちが間違っているのではなくて,

僕の理解力・想像力の低さの問題。

では,どうすれば理解できるのか。

 

今から小学校の先生になることは現実的ではないし,

どうしたもんかなーと考え続けること数か月。

自分で環境を作ることにしました。

子どもたちが参加してくれる企画を作って,子どもたちと関わっていけば,

時間はかかるかもしれないけれど,少しずつ理解できるかもしれない。

 

子どもたちの関わりの中で理解するという方法。

子どもたちに喜んでもらうことを絶対最優先の条件にして

企画を開催し続けること数年。

やっと理解できるようになりました。

研究成果を教育現場はどのように見ているのかも分かりました。

別のエビデンスの意味が理解できただけでなく,

先生たちすごい!とリスペクトのレベルがさらに高くなりました。

 

2.子どもを知らない発達科学者なんてイヤだ

最も大きな理由はコレです。

子どもや育児の実情を知らないのに教育や発達について学生に語っても良いのか。

論文や書籍の情報だけで子どもを知っていることにはならない。

学術的な視点だけで子どものことを分かった風に言ってはいけないのではないか。

ものすごく苦悩しました。

 

子どもを知る機会を作りたい。

教育現場の声も理解できるようになりたい。

保護者の声や先生たちの声を少しでも深く理解できるようになりたい。

 

「知っている」よりも「体験的に理解」している方が良いはず。

ようやく,少しずつですが,学術的観点ではないところから

子どもたちを理解することができるようになってきた気がしています。

 

3.最新の知見を使って新しい教育に挑戦したい

研究から得られた知見を利用すれば教育はもっと良くなるはず。

子どもの未来を少しだけ良くすることができるかもしれない。

でも,それを実践する場所がありませんでした。

「ないのなら作る」。

学生の頃から尊敬している生命科学者の言葉です。

 

最新の研究知見をバックグラウンドにした教育実践は,

子どもたちだけでなく,

教育に関わることを夢見てがんばっている大学生さんたちにもメリットがあるはず。

社会貢献ができて,子どもたちや保護者の方に喜んでもらえて,

新しいことを学術的・日常的の観点から学ぶことができる。

そんな環境を作りたかった。

 

日々,古くなる。

最先端だと思っていても,あっという間に「次」が出てくる時代。

教育の考え方もこれから変化が早くなるのかなと思います。

過去の成功例は現代でも通用するとは限らないので,

常に新しい考え方を積極的に取り入れるようにしておかないと

あっという間に取り残される。

 

子どもたちの感覚や考え方も同じではないかなと思います。

子どもたちと関わらせてもらう御礼として,

今できること・提供できることを子どもたちに贈る。

それでも足りないかもしれません。

子どもたちから学ぶことはとても多いです。

 

以上,企画を開催し続けている3つの理由を書いてみました。

Youtuberになってみる?

なりたい職業ランキング1位は「Youtuber」。

子どもたちの希望を叶える(?)企画を開催してみました。

 

今回もサイピア様のご協力のもと,開催することができました。

6組の子どもたちが参加。そして,4名の大学生が協力してくれました。

 

ゲーム実況,手品,一発芸等。ジャンルはいろいろあるけれど,

今回は作りやすさ・コストを考慮して,「おもちゃの紹介」をテーマに選んでみました。

ワニワニパニックとか,黒ひげ危機一髪とか,いろいろあったのですが,

人数分のおもちゃを用意するとなるとお金が・・・。

ということで,100円のハンドスピナーになりました(笑)。

すぐ紹介するのは難しいでしょうから,

大学生さんが作ってくれた紹介動画を最初に見てもらうところからスタートしました。

イメージが掴めたら絵コンテの作成に挑戦です。

 

絵コンテを書いて紹介のストーリーを作成。

2人で考えていると色々なアイデアが浮かんだ様子。

「こうしたらいいんじゃない?」

「このセリフを言ったあとに,これ見せる方が良くない?」

楽しそうに絵コンテを作っておりました。

 

撮影したらチェックして,ダメなところを撮り直す。

そんな試行錯誤を自発的に繰り返していたので,驚きでした。

楽しいことや好きなことであれば積極的に考えて工夫する。素晴らしいですよね。

子どもたちの偽りのない姿を見るたびに何かを得ております。

楽しい・好きは強いんだなと改めて感じました。

 

言葉だけで説明するよりも絵を使った方がわかりやすい!

と気づいて,ホワイトボードを引っ張り出してきました。

最後は,それぞれの紹介動画を全員で見ました。

研究の先のこと

研究室を持たせてもらって5年目を迎えました。

できることは全部する。

帰宅したらカバンを持ちかえてスタバで閉店まで別の仕事したり。

講義資料を早朝4時まで作り続けたり(妥協しない派)。

アイデアをひねり出したくて深夜に散歩し始めたり(笑)。

もう必死に走りました。

 

幾多の失敗を重ねてやっと研究論文になって,

学術雑誌に掲載が決まって喜ぶ!

というサイクルを繰り返していたのだけど,

あれ!?と思いまして。

 

あんなに苦労して論文を書いたのに,

世の中の何かを1つも変えることができてないんです。

今よりもっと良くしたいと思っているのに,

研究成果は世の中にとってプラスになっていないのでは!?

という疑惑と無力感。

 

これでいいのかな?と考え始めた時に南雲さんの本に出合いました。

「僕はミドリムシで世界を救うことに決めました。」

 

「いくら研究したところで,本当に世の中を良くしたいと思うのであれば,

受け入れてもらえるような環境も同時に作っていかなければならない。」

と書いてありました。

ああ,これだ。「欠けていたもの」はコレだ。

 

さらに色々と調べているうちに,堀江さんの本にも出会いまして。

「良い商品を作りさえすれば,自然とお客さんが集まってくるだろうと

本気で思い込んでいる人が意外に多いのです」と書いてありました。

「良い商品」を「研究論文」に置き換えて読みました。

研究論文を世に出した後のことを全く考えていなかった!と反省。

 

世の中をもっと良くしたいと思うのであれば,

世の中に受け入れてもらえる手段を作らないといけない。

「誰かに気づいてもらう偶然」を期待して待っていてはダメだ。

膨大な時間を費やして研究を成功させて論文にしたとしても,

知ってもらわなければ「無い」に等しい。

 

論文が出ました!と言って終わるのではなくて。

「ふ~ん,おもしろいね!」と評価をもらって終わるのではなくて。

受け入れてもらえるコンテンツに置き換えないといけない。

 

何のために研究を続けるのか。

研究の姿勢・考え方が変わった夏でした。

ぬいぐるみお泊まり会2018@未来屋書店岡山店

今年も開催します!

未来屋書店岡山店さん,本屋さんTRIPさん,ウィー東城店さん,劇団夢幻幻月さん

たくさんの方々がご協力して下さいます。

親子で楽しんでいただける時間を創ることができますように!

企画をたくさん開催しました(8月)

1.探究の技を伝授

自由研究が上手になる「探究の技」を子どもたちに伝授。

広島大学の先生・学生さんと共同で開催しました。

 

子どもたちの努力の軌跡。

 

2.子どもたちが探偵になる!@池田動物園

怪盗団が狙っている動物はいったい何なのか!?

子どもたちに探偵団の一員になってもらい,園内を調査してもらいました!

 

 

劇団夢幻月の皆様と幼児教育(1年生)の皆様にご協力して頂きました。

 

3.たまご落としコンテスト

今年で2回目。台風の影響のため23日(第1日目)は中止になりました。

30日(第2日目)は無事に開催できました!

 

春から準備を重ねて,やっとすべてを終えることができました。

あっという間に8月が過ぎ去って行きました。

子どもたちに喜んでもらえたし,研究の足掛かりも得られたので満足です。

ozobotを使ってみた

ozobotを購入してみました。諭吉様2名分の値段です。

 

「線の太さ」は約5ミリ以上でないと認識してくれない。

習字用の半紙を利用しました(他に紙がなくて・・・)。

 

太さを均一にして,スタート地点とゴール地点を作ってみました。

 

プログラミングはozoblocklyで行います。

試行錯誤すること1時間。

スタート地点から北上して1周した後ゴール地点に向かうプログラムが完成。

 

ozobot君にプログラムをインストールして走らせてみました。

 

簡単な感想

飽きずに長く使い続けてくれるだろうか?長く使い続けるような授業を考案するとなると,ちょっと難しそう。費用対効果がちょっとキニナルかな。でも,プログラミングした通りに動くと子どもたちはきっと喜ぶ。導入時に利用する点ではとても良さそうです。

 

追記(9月5日)

自宅のディスプレイでプログラムの読み込みができたので,他のディスプレイでも問題ないだろうと思っていたのですが,ダメでした。照度を変更してもダメ。タブレットもダメ。ipadは所有していない。スマホもダメ。いろいろ試してみたのですが,ついに万策尽きました。小学校の先生方にお見せしたかったのですが,小学校のディスプレイでも利用できなかったので,残念ながらお蔵入りになりそうです・・・。高かったんですけどね(悲)。

入賞

大学院生さんと一緒に挑戦しておりましたところ,

2018年6月の大喜利のお題「雨」で入賞となりました。

子どもたちの輪の中に全力で挑戦した大人を混ぜて頂き,恐悦至極です。

今夏に出会う子どもたちとの会話のきっかけにできるので,とても嬉しい。

ぬいぐるみお泊まり会が海外で話題になった

ある日突然,Twitterの通知がたくさん届くようになりました。

 

何が起きているのか調べてみたら,

ぬいぐるみお泊まり会が海外で話題になっており,

「Leslieさんが私たちの研究を紹介してくれたから」でした。

 

2017年3月。ぬいぐるみお泊まり会の論文が掲載されました。

Leslieさんは私たちの研究を高く評価して下さり,

Twitterで“Best library science study ever”と書いてくれました。

当時,この言葉にどれほど励まされたことか。

 

今回もLeslieさんが私たちの研究を紹介して下さり,

メトロポリスデイリー(2018年7月26-29日)の記事になりました。

海外の方々にも喜んでもらえた!

何より嬉しいことでした。

 

Dear Leslie

We are very grateful to you.

Your tweet,  “Best library sci study ever”, have encouraged  us.

I feel like I have been encouraged again.

 

問題解決と創造的思考

今週は「思考・問題解決」を紹介する回でした。

「ロウソク問題」や「ギャンブラーの誤謬」を考えてもらったり。

 

努力の積算だけでは問題解決できないこともあります。

そのような時,「創造性」が求められます。

「創造性」に関する研究を紹介したくて,

改めて心理学系の本をたくさん調べてみたのですが,

「創造性」について記載している本がとても少なくて意外でした。

記載されていたとしてもわずか1ページ程度。

情報量が足りない!

ということで,創造性に関する研究論文を調べてみました。

創造的になれる方法(エビデンスあり)をいくつか見つけました。

ブレインストーミングやKJ法の他にも色々あります。

 

本当に創造的になれるのか?学習したら即実践!

恒例の(?)たまご落としコンテストで検証してみました。

 

学生さんたちの作品

たまごを「落とす」のではなく,「投げる・飛ばす」という発想。

 

バネの弾力性+空気抵抗

 

飴型(だったかな?)

 

非常に斬新だった作品。

「割れる・割れない」をストーリー化していました。

箱の中に「彦さん」が入っています。右のタマゴが「マロさん」。

箱の手前の面にマロさんの父が描かれています。

「彦さん」が割れていなかったら,父から結婚の許可が得られるそうです。

 

「彦さん」と「マロさん」の結婚は認められたのか!?

写真からお察し下さい・・・。

 

講義の中に「体験」を含めた方がいいナと改めて思いました。

学生さんたち,とっても楽しそうでした。

何よりも良いことは,学習したことを利用して即実践できること。

感想シートに書かれている質・量も向上していました。

体験を含める場合,上記の4つを満たせるようにすると良さそうな印象でした。

(1)仲間と一緒に試行錯誤できる

(2)正解は1つだけではない

(3)結果がすぐに得られる

(4)結果がわかりやすい

 

エビデンスに基づいた教育

「エビデンスに基づいた教育」を学びたくて上京してきました。

 

その教育方法,効果はあるの?

ある教育的な問題に対して,どのように対応するのか。

若手であるほど対応に困ってしまうことは想像に難くありません。

信頼できる先生に尋ねる,ネット検索する,経験から判断する。

良さそうな方法がたくさん見つかります。

しかし,それらの方法は本当に「効果」があるかどうかは不透明。

ちょっと不安ですよね。「経験・勘」だけで判断するのではなく,

これまでに蓄積されている客観性の高いエビデンスを利用して判断できれば,

経験が少ない若手でも自信をもって教育に関わることができます。

「エビデンスに基づいた」判断・意思決定ができるスキルを

学生さんたちに提供できたらいいなと思っているところです。

 

これからの生徒指導を考える

「こんな方法もあるよね。あんな方法もあるよね。」といった,

結論が出ない協議で終わるのではなく,

エビデンスに基づいて議論・検討して,「この方法が最善!最適解!」

と主張できるスキルが身に付けられるような時間を学生さんたちに提供したい。

「教員の努力は子どもたちに必ず伝わる」

「とにかく経験を積むことが必要」

「以前にこんなことがあって,そのときは・・・」などなど,

根性論・精神論・経験論に基づいた教育ではなくて。

 

子どもを思う気持ちは確かに重要です。

もちろん,経験の蓄積や教育観も大切。

でも,それだけでは不十分。

 

教育的な問題に対してどのような方法が効果的なのか。

効果がある場合,どの程度の効果が期待できるのか。

これらに関するスキルを持つことができれば,強力なツールとして利用できます。

教育現場で役立つメタ的なスキルの1つ。

岡山で教員を目指す学生さんたちに提供できるように準備を進めています。

まだ時間はかかりますが,慌てず,焦らず,少しずつ。