研究

時間管理と心理学

リクルート研究所さんが時間管理に関する記事を出して下さいました。

「時間管理よりも優先すべきは、仕事や予定を詰めすぎないこと」

いつかどこかで紹介できたらいいなと思って集めていた記事をすべて紹介しました。

記事でご紹介した研究を置いておきますね。

 

1.フレッシュ・スタート効果を利用する
1月はモチベーションが最も高まりやすい時期。最近の研究では「フレッシュ・スタート効果」と呼ばれている。物理的なランドマークが基準地点になっているのと同じように,1月が時間的なランドマークとなっているのでは,という考え方が紹介されていました。計画を修正するときは,月や各週の単位でスタートできる計画を作ると良いかも。
記事:Time for a reset? How to make your New Year’s resolutions work
論文:The Fresh Start Effect: Temporal Landmarks Motivate Aspirational Behavior

 

2.時間の単位を小さくして計画すると「先延ばし」が軽減される
月や年で計画するよりも,日数で計画する方が早くから取り組めるそうです。月や年よりも,日で残り時間を見る方が未来を身近に感じやすくなるため,先延ばしをしなくなるようです。
記事:Framing Time in Days, Not Years, Could Spur Action Toward Goals
論文:When Does the Future Begin?

 

3.援助行動は主観的な時間が伸びる
充実した時間を過ごすための1つの提案になるかどうか不明ですが,”他者のために時間を費やすと,自分自身に時間を費やすよりも,もっと時間が得られたように感じるそうです。同じことを繰り返していると時間があっという間に消えてゆく感覚が生じるので,できるだけ新しいこと,そして,他者のためになることに時間を費やすと良さそうです。
記事:To Feel More Productive, Take a Break to Do Something Selfless
論文:Giving Time Gives You Time

 

4.畏敬の念を感じることが主観的時間や主観的幸福感を増大させる
壮大な自然やアートのような崇高さを感じる「畏敬の念」は主観的な時間を増やすだけでなく、向社会的行動を促すそうです。グランドキャニオンやオーロラ,大きな仏像を見た時に感じる感覚は,より多くの時間が使えるように思えるだけでなく,他人を助けるために自発的に時間を割くようになるそうです。
記事:Being in awe can expand time and enhance well-being
論文:Awe Expands People’s Perception of Time, Alters Decision Making, and Enhances Well-Being

 

5.時間を気にし過ぎると健康に良くない
時間の価値を強く意識している人(時間をお金だと思っている人)は一般的にストレス状況におり,コルチゾール(ストレスホルモン)の値が高くなる。ストレスレベルは25%も上昇していた。時間の経済的価値を絶えず計算していると,人生を楽しむことが難しくなる。音楽や良い景色等を楽しめなくなる。例えば,子供のサッカーの指導にかかる費用を計算することは,幸福への道ではない。時間とお金を結び付けない方が良さそう。
記事:Your Obsession With Time Management Is Slowly Killing You, Science Says
論文:The Economic Evaluation of Time Can Cause Stress

 

6.予定の詰め過ぎは生産性を下げる
本を読むことができる時間を尋ねたところ,次の予定がある条件の場合は39.5分であったのに対して,予定がない場合は48.9分だった。少し先の時間に予定がある場合,取り組む時間を小さく見積もってしまう。時間は短いと認知した結果,簡単な作業を選択するため,大事な課題は先延ばされる。時間に余裕があるときに大きなタスクに取り組む可能性が高いことから,研究者たちはタスクを小さく分割することを提案している。
記事:Why an hour sometimes feels shorter than that
論文:When an Hour Feels Shorter: Future Boundary Tasks Alter Consumption by Contracting Time

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災害復興と心理学

2018年7月。豪雨災害を目の当たりにして,何ができるのか色々と考え続け,復興を目的とした防災教育系の研究を提案しておりましたところ,とてもありがたいことに採択して頂きました。

成果は,日本心理学会第83回大会の日本心理学会企画シンポジウム「災害復興と心理学」にてご報告させて頂きました。

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